3000年の密室3000年の密室
(1998/07)
柄刀 一

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密室と化した洞窟で発見された片腕のミイラは、
3000年前の“殺人事件”の被害者だった。
しかも腕は明らかに死後に切断されていた。
内側から閉ざされた洞窟で、いったい犯人はどうやって消え失せたのか?
なぜ死体の腕を切り落としたのか?
一方、多くの謎を持ったミイラの調査がすすめられるなか、
発見者の一人が「奇妙な状況で」死んだ。
現場には本人の足跡しかなく、自殺にしか見えない状況だったのだが……。
はるか過去の殺人と現代の死、
時空を超えて開かれた密室の彼方には、いったい何が見えたのか―――
新鋭が放つ渾身の書き下ろし本格長編ミステリ。
――――― 表紙袖より

新鋭が放つ渾身の書き下ろし長編本格ミステリ
有栖川有栖 ―解説→ 隆盛を誇る現代本格ミステリの、美しくて大きな収穫
二階堂黎人 ―推薦→ 三千年にわたる広大無辺な謎に、私は全面降伏する

本格ミステリーは、ポーによって創造された瞬間から、
作者と読者との熾烈な知的闘争を繰り広げてきた。
その理知的な戦場に、今、『3000年の密室』という
近年希にみる優秀な戦闘員が参戦した。
三千年にわたる広大無辺な謎に、私は全面降伏する。  二階堂黎人
――――― 帯より

なるほどねぇ…って感じ。

ミイラの検証について書かれてる部分が
馴染みないことばっかりなのでちょっとしんどい部分もありますが
まぁそれを含めても面白かった。

真犯人の意外な一面が最後に明かされてちょっとビックリというか安心というか。
それまでどことなく気持ち悪いまでにとっつきにくい感が強すぎて。

特に犯行を自白し始めてから語る動機が
言わんとすることはわからなくもないけどなんか気持ち悪い。

凡人には理解できないような、普通の人間とは何か違うような
そんな人間でもやっぱりそういう気持ちは持ってたのかってことで。

他殺体のミイラが密室状況の中にいたこと、
そのミイラの右腕が死後に切断されてたことの原因は
ビックリはしたけど意外ではない。
「そんなことがあるんだなぁ、すごいなぁ」っていう驚き。

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2008.03.30 不便だ…

洗い物をしてるときに空き缶で指先を切った。
しかも右の人差し指。
絆創膏を貼らなきゃならないぐらいの傷は久しぶりかも。

でも右人差し指先に絆創膏、ってかなり不便だ。

生活の中で細かい作業するのはもちろん。

本を読む時にページをめくるにも、
こうしてパソコンのキーボードを打つのにも。

でも絆創膏とっちゃうと傷口を他に引っ掛けてまた出血しちゃうし。

不便だ……。

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スウェーデン館の謎 (講談社ノベルス)スウェーデン館の謎 (講談社ノベルス)
(1995/05)
有栖川 有栖

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ミステリ作家・有栖川有栖が取材で訪れた雪深い裏磐梯には、
地元の人々からスウェーデン館と異名をとるログハウスがあった。
彼は珍客として歓待されるが、深い悲しみを湛えた殺人事件に遭遇する―――。
有栖と犯罪臨床学者・火村英生の絶妙コンビが、足跡のない殺人事件に挑戦!
大好評<国名シリーズ>の第2弾!
――――― 裏表紙より

実は随分前に1度読んだことがあるんですが、
読んだ本を一覧にし始める以前のことだったので
<読んだリスト>に載ってなかったため、もう一度。

姉の方の事件はなんか悲劇的だ。
そもそも殺人事件なんだから悲劇じゃないものなんかないのかも知れないけど。
どこがどう悲劇なのか、詳しく書こうとすると
真犯人の動機や被害者の告白に近づいちゃって、
そうなると真犯人の正体にも近づいちゃうので、なかなか何を書けばいいのやら。

足跡のトリック、一つ一つ見ればそんなに斬新なことしてるわけでもないのに
全部を並べて謎解きされるとやっぱりちょっと驚いた。

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2008.03.28 『ザ・勝負』

ザ・勝負ザ・勝負
(2002/04)
清水 義範

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さあ、どっち!
人物・食材・風土・宗教、
森羅万象を勝手にリングに上げ、闘わせて遊ぶ知的対決小説。
――――― 表紙より

十番勝負
1・始皇帝 / アレキサンダー大王
2・ゾロアスター教 / ジャイナ教
3・ソース / 醤油
4・シンデレラ / 白雪姫
5・米 / 麦
6・長嶋茂雄 / 王貞治
7・レオナルド・ダ・ヴィンチ / ミケランジェロ
8・嫁 / 姑
9・東京 / 大阪
10・砂 / 水
――――― 裏表紙より

面白かった。
短編だし内容も内容なので、気楽に読むのにちょうどいい。
「ザ・対決」という姉妹版もあるらしいので読んでみようかな。

「勝負」だとか「闘わせる」といっても
優劣・勝敗を決めることにこだわってるわけじゃないし気楽に。
醤油 vs ソースや東京 vs 大阪なんてそこら中でしょっちゅう交わされてる闘いだろうな。

偉人や宗教、醤油・ソースなどなど、
それぞれについて詳しくなくても中でちゃんと説明してあるので問題なし。
その説明もしつこすぎないから読むのが辛いほどでもない。

個人的には白雪姫 vs シンデレラ、砂 vs 水あたりが好き。

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2008.03.27 『船上にて』

船上にて船上にて
(1997/02)
若竹 七海

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なにげなく零れ落ちた言葉のかけらが、
心の奥にひそむ悪意を目覚めさせた…

日常の中に隠れた悪意の存在と、
その存在ゆえに繰り広げられる破綻と非日常の出現!!
ミステリー自選傑作集!!
――――― 帯より

ほんとに悪意に満ちてて読んでて暗い気分になっちゃいそう。
落ち込んでる時には読む本じゃないかなぁって感じ。

終り方が重かったり暗かったり、とにかく爽やかじゃないものばっかり。
救いのないまま死ぬ人が多すぎる。

最後に収録されてる表題作『船上にて』はちょっと雰囲気が違って、
その話にもまぁ悪意ある人間は出てきてるものの
他の話ほどのドロドロした感じがあまりなくてちょっと救われた。

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古書店アゼリアの死体 (カッパ・ノベルス)古書店アゼリアの死体 (カッパ・ノベルス)
(2000/07)
若竹 七海

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あらゆる不幸を立て続けに体験した相澤真琴は、
全てを投げだし、葉崎市の海岸に辿り着いた。
ところが、なんと身元不明の死体をみつけてしまう!
所持品から、その死体は葉崎の名門・前田家の
失踪中の御曹司・前田秀春である可能性が浮かぶ。
しかし、秀春の失踪には、きな臭い背景が……。
そんなさなか、ロマンス小説専門の古書店アゼリアを経営する
前田紅子と知り合った真琴は、紅子が入院する間、
アゼリアの店番を頼まれたのだが……。
真琴は次なる死体と遭遇することに!
絶妙な語り口と濃厚なミステリの味付け!
芳醇なるコージー・ミステリの絶品、好評書下ろし第二弾!
――――― 裏表紙袖より

若竹さん作品の中では好きなタイプ。
キャラクターが他の作品と似てるなぁと思う部分もあるんですが。

最後の最後、後味はちょっと悪いけど
やっぱりあの部分で明かされたことはやっぱり必要だった気がする。
ミステリとしては断然綺麗だと思うから。

そこで語られる秀春の言葉も意外だったし。
暴力的になることがあったり、少年なりの身勝手さみたいなのは
そこまでに書かれていたものの基本的に悩みがちで繊細ってイメージだったから。

ただ海岸で真琴らを見下ろす二人の影は必要?
『アゼリア』にこだわってのことだろうけど。

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パラダイスビーチパラダイスビーチ
(1998/06)
鳴海 章

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少女の名は、律。
倦んだ日常に放たれた銃弾の先にあるものは!?
著者入魂のノンストップ・ロードアクション!
――――― 帯より

時間的にはわりと短時間で読めた。

けど、正直イマイチだったような。

(特にサービスエリアでの)律の行動も予想の範囲内だし
心情にしても取り立ててグッとくるでもないし。

“アクション”というのもなんとなく中途半端というかビックリしないというか。
結果的には14人もの人間が作中で殺されてる割には…って感じがしてしまう。

津山の異常さはちょっと気持ち悪いものの、
それでもそんなに印象が強くはない。

最後の二人の会話はちょっと意外だったんで、それは良かった。
「まさかあんたが!?」って感じ。
よく考えてみればわりと見かける設定ですが、今回はちょっと驚いた。

最近凄惨に人が殺されるシーンの多い本に慣れてきちゃってるんだろうか。

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東京・上海二重交点の謎東京・上海二重交点の謎
(1995/02)
深谷 忠記

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衆議院議員で平成新党代表の桃沢康明が、
中野のマンションで撲殺された!
犯行時、エレベーターから走り去るところを目撃された“幻の女”がいた。
女の影を追う警視庁捜査一課警部補の宇津木冬彦。
捜査が膠着状態に陥ったとき、
新たに東京・八王子で“毒入りソーセージ事件”が発生した。
被害者・香川の謎!
宇津木の苦闘がつづく。
“幻の女”の素顔とは?
東京―横浜―名古屋―木曾を結ぶ殺人ラインが上海と交差したとき、
恐るべき国際犯罪の構図が炸裂する……。
スリルとサスペンス!意表をつく展開!
著者会心の書下ろし長編本格推理力作!
宇津木警部補シリーズ第二弾!
――――― 裏表紙袖より

なるほどねぇと。

上海の点は小さいなぁ。
濃いものではあるけど、思ってたより随分小さい点だった。
「恐るべき国際犯罪」っていうからもっと…かと思ってたので。

被害者・香川が纏まったお金を手にしていたらしい時点で、
具体的に何に使うのかはともかく、何をしたかって事ぐらいは
なんとなく想像できてしまうので、その中では随分ベタな展開だったなと。
10年以上前の作品なので、当時の感覚では「恐るべき国際犯罪」だったんだろうか。

トラベルミステリとか時刻表物とかは苦手。
これはそこまでは行かないんだろうけど、やっぱりちょっとしんどい。
舞台が実在のあちこちに飛ぶのは、
しかもそこに時間的なアリバイが絡んだりするのは疲れる。

深谷さん作品ではやっぱり社会派色の強いものの方が好みなのか。

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2008.03.23 『聖殺人者』

聖殺人者聖殺人者
(2005/02/25)
新堂 冬樹

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咲き乱れろ、悪の華。
終わりなき復讐の連鎖!
最強の刺客が、“シチリアの冷獣”ガルシアを襲う!!
神はいるのか!?悪魔は!?
暗黒小説の金字塔、待望の最新作!

人殺しを育てるのは、簡単だ。
笑いも涙も忘れて、人を殺すためだけに育てられた青年。
彼には失敗も動揺も、あるはずがなかった。
迫力と緊張感に満ちた、『悪の華』待望の最新刊!
――――― 帯より

どうやらまた順番を間違えたらしい。
『悪の華』は未読。
でもそれが今作を読むのに大きな不都合ということはなかったけど。

相変わらずこれでもかってくらい人が死ぬ。
しかも呆気なく。それなのに派手に、凄惨に。
死なないにしても暴力シーン・描写もたくさん。

これだけ凄惨な内容だと、設定やらに新鮮味や驚きを感じられない場合特に
描かれる心情やらより先に、暴力ばっかりに目がいってしまってしんどい。

「全てを忘れて人を殺す事だけ考えて生きてきた」って設定、
そうなってしまった原因やそれを作った人との関係など、
どうも前に読んだのとかぶってしまって、今作は特に。

ジョルジオの最後は救われたって言っていいのかどうか。

嘘を信じたまま(真実を忘れたまま)死ぬよりは良かった。
これまでの人生を全部ひっくり返すような辛い真実なんか
思い出さないまま死んだ方が穏やかだったんじゃないか。

本当に大切な人を思い出せたことが救いだってことか。

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月のない夜月のない夜
(2003/08/26)
鳴海 章

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みんなドラマチックに生きてるんだな
ひとりの人生ってちっぽけなようで大きい
小泉今日子さん推薦!

そこそこの人生を生きることの闇。
死の淵を覗く絶望の中に見いだす光。
愛するとは?生きるとは?家族とは?

ひとりの男の話なのに、何人もの日常を描いているようだった。
時間を切り取ってみると、みんなそんな風に
まるで別人のようにドラマチックに生きてるんだな。
ひとりの人生ってちっぽけなようで大きいものなんだな。
小泉今日子
――――― 帯より

面白くないことはない。
でも「好き?もう一度読みたい?」となると…。
「もういいかな」って感じ。

何が嫌いって具体的に答えられるポイントがあるわけじゃないんだけど、
なんかイヤ。

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本番いきまーす本番いきまーす
(1998/05)
清水 義範

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生 活 喜 劇
日常生活に悪戦苦闘する………
まじめであるがゆえに、滑稽に映る………
そんな親しみあふれる主人公たち………
――――― 帯より

短編集で読みやすい。
わりかし面白い。

取り立てて劇的なことが起きるわけじゃなく、
日常の中の話を書いたものが多いんですが
それが退屈じゃないからすごい。

ビールの選び方とか、定年退職した男と猫との闘いとか。
それだけで短編が1作できるというのに驚き。
「プロの作家さんに何を失礼な」と言われるかもしれませんが。

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2008.03.20 挫折……

とあるところで紹介してもらった本を読み始めたんですが、
途中で挫折してしまった……。

普段はイマイチ面白くないと思ったものでも一応最後まで読むことが多いんですが
今回のはさすがに難しかった。

話が面白いだろう展開を見せるまで気力が続かなかった。
なので面白い話なのか、面白くない話なのかもわからない。

オススメしてくださった方、ごめんなさい……。

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救命看護婦25時―悪霊からのナースコール救命看護婦25時―悪霊からのナースコール
(1999/08)
清水 みよこ

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病院では、今日もまた人が死ぬ!
わが子に熱湯を浴びせる母親 / 子どもを虐待し、死を願う親
患者に地獄の苦しみを与える医師 / 病棟をさまよう成仏できない霊………
誰も知らない病院の怖い話

救命救急センターに運ばれてきて、不幸にして亡くなっていく人の場合、
朝は元気に行ってきますと出ていったのに、
夜にはもう亡くなってしまうというケースが多い。
こんな時には、家族にもそうであるが、亡くなった患者本人へも
「あなたはもう亡くなったのです」と引導を渡さなければならない……………。
――――― 帯より

著者は看護師さん。
「現役」とは書いてなかったので看護師は引退されてるのか?
わりと面白かった。

タイトルと帯を読んだ感じでは、もっとおどろおどろしいホラーかと思ってた。
ホラーには違いないんですが、怖がらせることが目的じゃない。

看護師とは、医者とは。人間とは。生きるとは、死ぬとは。
そういうことを考えさせる内容じゃなかろうか。

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犯人に告ぐ犯人に告ぐ
(2004/07)
雫井 脩介

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『小説推理』連載中から大反響!!
「犯人よ、今夜は震えて眠れ」
連続児童殺人事件―――
姿見えぬ犯人に、警察はテレビ局と手を組んだ。
史上初の、劇場型捜査が始まる!

絶賛!    横山秀夫氏
喝采!    福井晴敏氏
一気読み! 伊坂幸太郎氏


横山秀夫
 幹が太く、枝葉の繊細さが心に絡みつく警察小説だ。

福井晴敏
 メディアという暴力装置と真っ向から取り組み、
 汚濁の中に一縷の希望を見出そうとする。
 この作品で著者は新たなステージに立った。

伊坂幸太郎
 二章まで読み終えた僕は、最高だねこれは、と興奮し、
 つづきが気になるあまり、風呂場でも読んだのでした。

――――― 帯より

ここ最近読んだ中で一番面白かった。
これはかなり好き。
分量的には長い話だと思うんですが、比較的短時間で読めてしまう。
面白いものは気分がのりやすいから読むのも速くなる。

上にも書いた通りの有名作家さんらの絶賛の言葉を本編より先に見てしまい
「あ〜あ、こんなに煽っちゃって大丈夫かね」と思いながら読んだんですが
それでも十分楽しめた。

あんまり色んなこと書きたくない感じ。
「いやぁ、面白かったなぁ」っていうのに浸っていたいというか。
しばらくして落ち着いたらまた書き直すかもしれません。

映画化されているようなので、それも観てみようかなと思う。

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明日に手紙を (中公文庫)明日に手紙を (中公文庫)
(2001/09)
赤川 次郎

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欠陥洗濯機で女性が感電死した。
製造元のK電機は責任を認めず、世間の非難を浴びる。
管理課係長の成瀬は不買運動を潰すため、妻の真知子に
被害者の娘夫婦――平田敬・充子の仲を裂く手紙を書けと命じる。
真知子は夫のためと自分に言い聞かせ、
敬に「あなたの妻は不倫をしている」という手紙を宛てた…。
一通の手紙が人々の心に投げかける意外な波紋とは?
――――― 裏表紙より

あっという間に読み終わり。

登場人物はやっぱり赤川次郎さんっぽい感じ。
社長の息子(新社長)は絵に描いたような馬鹿息子だし
万里子の性格や心境の変化にしても、成瀬の変貌していく様も。
一番冷静で非道な人間にしても酷いけど驚きはない。

その定番ぶりも嫌いじゃないけど、
あんまり綺麗にまとまりすぎて正直ちょっと物足りなさも。

みんなそれぞれ傷ついたり、痛い目にあったりしているわけで
全てが上手く片付いてハッピーエンドとは言えないにしても
あまりにも予想通りに円く収まっちゃうのが。

夫の仕事のためとはいえ、あんな手紙を書いちゃうものなのか。
夫の仕事のためということはすなわち自分たちの生活のためって事か。

病気を克服した夫が再びあんな風に苦しむのは見たくないというようなことが
書いてあるんですが、なんか納得できない感じがする。
久々に張り切ってるのに水を差すようなことをしたくなかったっていうのもあるんだろうか。

あんなことに手を貸せば後々どうなるか考えてみればいいのに。
まして後ろに“切れる人”がついてるなら尚のこと。
しかも“切れる”って手放しに褒めてるんじゃないんだから
何かしら思うところがあったんだろうに。

今の社会なら加害者側がこんな手紙なんか書かなくても
上層部の思惑通りの結果をもたらすことなんて簡単なんだろうなと
思ってしまってちょっと怖い。

誰かがインターネットの掲示板に被害者の悪口の一つでも書き込めば
あとはあっという間に広がっていくだろうから。

「そんなことわざわざ言わなくてもいいんじゃない?」って事まで
テレビや雑誌なんかで目にする事だって特に珍しい事だとは思わないし。

残念ながら悪意に満ちた人間もいるし、人の痛みがわからない人間もいる。

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2008.03.16 『えれじい』

えれじいえれじい
(2005/09/09)
鳴海 章

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汚れなければわからなかった。
俺はなにをまもるのか。

女性警官殺しと中学生銃乱射事件。
マグナム銃を追う潜入捜査官。
正義の幻想が毀れたあともなお、
信じるものを探し続ける二人の男を描く、感動の書き下ろし長篇。
――――― 帯より

鳴海さんの本はまだほんの数冊しか読んだことないですが
これまでに読んだ中では一番好き。

意味ありげな登場だったわりに「あれ?」って人もいましたが。

黒幕の正体が意外で驚いた。
別の人物だと思ってたので。

読むまでは取り立てて何も感じなかった表紙ですが
最後まで読んだ後に見るとなかなかいいかもなぁと。

二人の男の関係もなかなか驚き。
最後に明かされる隠された繫がりに。

事件については真相にしてもその後にしても
なんか暗い気分になるばっかりでしんどいけど、嫌いじゃない。

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色のない空―虐殺と差別を超えて色のない空―虐殺と差別を超えて
(2001/04)
久郷 ポンナレット

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ポル・ポトの惨劇、難民の苦悩
史上まれに見る強制労働・大虐殺を生き延び、
日本に避難、言葉・文化を壁と闘いながら
力強く生きるカンボジア女性の、感動の半世紀。
――――― 帯より

強制労働、劣悪な生活環境、虐殺の恐怖。
突然始まったそれがいつ終るかもわからないまま毎日続く。

「いっそ死んだほうが楽かもしれない」と考えてしまいそうな気がする。
自ら死を選ぶほどの気力・体力すら残ってないって事なんだろうか。

お上に歯向かわないように、
条件の違う市民同士を敵対させるというのはよく聞くやり方ですが
こんなに思惑通りにいってしまうものなんだなと。

自らの身に危険が迫っているとしても、
その中で積極的に人を虐めるか、人を人として扱うか。

クメール・ルージュについては過去に映画なんかでも見たことがあって
詳しいとはとても言えないまでも、少なくとも知ってた。
でもその後の苦労や悩みについて、
あんまりちゃんと考えたことってなかった。

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2008.03.13 『死者の森』

死者の森死者の森
(2000/12)
鳴海 章

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サイコサスペンスの剛速球。新生・鳴海章の真骨頂。
        香山二三郎氏

乱歩賞から10年、鬼才の執念ここに結実。衝撃の書き下ろし長編!!
幼女連続殺人事件。
人間の奥底からの叫ぶが、いま闇をつんざく!

どこにでもいて、どこにもいない存在。
それはあなた自身かもしれない。

殺人者は至高の儀式を執り行った。
秘密の花園に捧げるために。
四国松山を舞台に連続幼女誘拐殺人の幕が開く。
奔走する警察、報道陣をよそに、犯人は再び刃を振りかざす。
一方、中年の新聞記者は犯人像を浮き彫りにしようと取材をつづける。
追われる者と追う者が織りなす事件の双曲線が交差する瞬間は訪れるのか?
いま、存在を蔑ろにされた人間の魂の叫びが響きわたる。
江戸川乱歩賞から10年、鬼才・鳴海章の新しい挑戦がここに始まった。
――――― 帯より

上に書いたのを読んだ感じでは、かなり期待して読んだんですが。

「面白くない」と言い切ってしまうにはちょっと心苦しさもあるものの
正直言ってあんまり好きじゃなかった。

殺人者の独白的な部分もあんまりグッと来ないというか。
何が合わないのか、何が嫌いなのかと言われると
具体的に答えるのは難しいんですが、「なんか好きじゃない」。

ミステリじゃないから構わないんでしょうけど、
事件の謎についてもなんか微妙な感じだし。

でも最後の一ひねりは結構好きです。
「犯人はこいつ」のまま終るよりも断然好き。

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2008.03.11 『傷』

傷
(2007/07)
深谷 忠記

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フィナーレで終らない協奏曲
強姦未遂と放火殺人。
二つの事件の接点は?
新たなるミステリーに挑戦し続ける深谷忠記、渾身の書下し。

この作品は、いわばピアノとバイオリンが共にソロで演奏される二重協奏曲です。
指揮法と演奏の形式が従来の協奏曲と多少異なっていますが、
ご来場願えれば、きっと愉しいひとときを過ごしていただけるものと確信しています。
謎を帯びた旋律が高く低く流れた後、独奏楽器の演奏と
オーケストラの競演が一気にフィナーレへと流れ込んでいくはずですが、
指揮者はそこをどのように表現してみせるのか―――。
私も期待し、初演を心待ちにしているところです。   ……著者
――――― 帯より

最後の終り方は好き。
後味の悪いままどんどん終わりが近づいてきちゃって
「どうするの?」って感じだったところにあの最後ですっきり。

事件の接点も面白かった。
ラストの謎解きで明かされる“転送”というのも面白い。

放火殺人の真犯人はちょっとビックリ。
家族のあの過剰反応からきっと何かあるんだろうとは思いましたが
まさか放火殺人犯だったとは。
その人物についてそんなに詳しく描写があるわけではないんですが
そのために逆に放火殺人なんてこととは遠いところにイメージが出来てた。

愚かな事をしてしまった、その行為そのものではなく
「この自分がそんな愚かな事をしてしまったという事実」が
耐えられないという“指揮者”のプライド。

愚行に対する反省はほとんど感じられない。

正直に言うとなんとなくわからんでもないけど、
そのためにここまでしてしまうとなるとやっぱりその自己愛は異常だ。

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ブルーバレンタインブルーバレンタイン
(2007/12)
新堂 冬樹

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手塚アリサ、20歳。
あの日の出来事がなければ、彼女は普通の女の子として
幸せな生活を送っていたはずだった。
コードネーム<バレンタイン>とは呼ばれずに―――。

新堂冬樹が贈る 海より深く、空よりも果てしない、聖なる愛の物語。
――――― 帯より

読みにくい。
もともとケータイ小説ということで横書き、ページの流れも逆。
内容云々の前にこの形式になれるのに一苦労。

携帯で読んでた人や若者世代に馴染みやすいように
ケータイ小説の書籍化は同じように横書きにするのだと
以前テレビで見た覚えがあるんですが、私はこの形は苦手だ。

横書きの本も小説意外なら教科書なんかでもあったし、
資料やらで横書きの文章を目にすることもあるんですが
なんとなく慣れない感じ。

左手に本を持って右手でページをめくるというのが癖になってるので
ページの流れが逆になってると途端に読みにくい。

ケータイ小説というのを好んで読むのがどういう人たちなのか。
映画化・書籍化されたもののCMなんかを見た印象では
女子中高生・若い女の子がメインターゲットなんだと思ってたんですが
その世代に受ける内容なんだろうか、これは。

「聖なる愛の物語」と書かれてる通り、
確かに命をかけた愛が描かれてるわけですが
なんせ銃撃シーンや格闘シーンが多い・長い。

ヘリオスの「戦いが終わったら真実を話す」という意味深な言葉の意味は
想像の範囲内であんまり驚きもなかった。

全ての感情を捨てて生きてきた人間が初めて特別な想いを抱いた相手、
その相手が憎むべき敵で殺し合いを迫られるというのも
とりたてて斬新な設定でもないと思うし。

これまでに読んだ新堂さんの「純愛小説」も
どちらかというと結構ベタな感じのものが多かったですが、
同じ「愛」を謳うベタな話ならこれまでに読んだ3部作の方が良かった。

ただ、そういうバレンタインやヘリオスの感情の書き方が
ベタベタ・ドロドロしていないというか、
わりと淡々と書かれてる感じは好きです。

二人の過去も現在も、とてもじゃないけど想像もできないようなものなので
あんまりベッタリ重たく書かれるとしんどいと思う。

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サンタクロースのせいにしようサンタクロースのせいにしよう
(1995/08)
若竹 七海

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ルームメイト急募!!
京王線柴崎駅徒歩15分 一戸建て2LDK 家賃不要!!
但し、家事他、何でも出来る方…


わたし岡村柊子、27歳。
わりと人見知りのほうなんだけど、失恋の痛手から立ち直りたかったし、
松江銀子さんのルームメイトに立候補しました。
だって、おいしい話でしょう?
(わからない人はもう一度、表のコピーをみてね)
でも、世間てそんなに甘くない。
銀子さんはとんでもない変わり者で、おまけに玄関に妙な幽霊が出るわ、
近所で死体騒ぎが起きるわ……。
次々と待ち受けるご町内事件に、乞うご期待!!
――――― 帯より

連作短編集。

最近読んだ若竹さん作品の中ではわりと好き。
特別「面白い!」とか「すごい!」って訳じゃないんですが
「なんとなく好き」って感じ。

事件の内容やトリック、それを起こした人の真意とかよりも
登場人物やその周りの環境が醸しだす雰囲気が好き。

表題作『サンタクロースのせいにしよう』よりも
『死を言うなかれ』『犬の足跡』が好き。

『犬の足跡』の中でご近所さんが「大工さ…大工」と言い直したことに
意味がないはずないと思ったんですが、そういうことだったのかと。
確かにあんな奴に「さん」なんかもったいない。

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時空(とき)の巫女 (ハルキ文庫)時空(とき)の巫女 (ハルキ文庫)
(1999/11)
今野 敏

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原盤制作会社社長の飯島は、新人アイドルを発掘していく中で、
かつてネパールの生き神様だったチアキ・チェスと
AVに出演していた池沢ちあきに出会う。
一方で、アメリカから自衛隊へ送られてきた
奇妙なレポートに情報部は困惑していた。
超能力者たちの見る、地球滅亡を思わせるような夢、
そしてその中に出てくる日本人と思われる名前「チアキ」。
二人の「チアキ」は果たして世紀末の救世主なのか?
渾身のSF長篇!
――――― 裏表紙より

裏表紙には「チアキ・チェス」と書いてあったので
上にもその通り書きましたがどうやら間違いです。
本編中では「チアキ・シェス」となっています。

難しい、とっつきにくい部分もいくらかあったんですが
(例えば“神の営み”だとか“次元”だとか)
まぁ全体の印象としては面白かったです。

前半と後半(ラスト)で話のスピードが違う気が。

特に二人の「チアキ」が出会ってからの急展開ぶりにちょっとビックリ。
20ページほどの間に大変なことが起こって。

地球が滅亡しかねない事態を体感して、
それはつまり片方の「チアキ」の特殊な能力を目の当たりにするということで
核戦争を回避すべく自分たちなりの行動を起こしてさぁその結果や如何に、
って言うのをたった20ページで
そんなにあっさり終わっちゃっていいの?という感じ。
特に不足があるというわけではありませんが、なんとなく「え?」という感じ。

SFというジャンルはそんなに好んで読んできたわけじゃありませんが、
登場人物が「今野さんっぽい」と感じる部分も多くて読みやすかった。

登場シーンは少ないですが岩浅課長とか。
彼が飯島らを護るためにとった行動とか、最後の一言とか
今野さん作品に登場する「頼れる上役」って感じだなぁと。

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ゴミの定理ゴミの定理
(2001/01)
清水 義範

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この本は、日本の深刻な環境問題であるゴミ処理について、
ある数学者が独自の数式を用いて、その解決策を提示する…
……斜体文小説です。
――――― 帯より

短編集。
連作ではないし、ゴミの話ばっかりでまとめてあるわけでもない。
面白いなぁと思ったものから、イマイチピンと来ないものまで。

『ニュース・ヴァリュー』、『ケータイ星人』、『楽しい家族旅行』が好き。
どっちかって言うと私はわかりやすいベタな話が好きらしい。

『ドラマチック・ハイスクール』はこれまでに読んだ
清水さんのイメージに一番わかりやすくあてはまる感じ。
『G○O』を思わせる部分あり、『ショ○ニ』思わせる部分あり。
ミステリな部分あり、ホラーめいたところもあり、他にも盛りだくさん。

表題作の『ゴミの定理』も割と面白かった。
「小説です」と強調してあるのも面白い。
実際小説を読んでるって感じがあんまりしなかったので。

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留美のために (ミステリー・リーグ)留美のために (ミステリー・リーグ)
(2007/09/20)
倉阪鬼一郎

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遺稿に封印された「真相」は、いかにして闇に葬られるのか?
メンバーの相次ぐ「自殺」に伴って解散を決めた学内サークル。
最後は遺稿の朗読会となった。
遺稿には「自殺の真相」がはっきりと記されているというのだが……。
奇才が放つ、企みに満ちた青春ミステリー!
――――― 帯より

学内のミステリーサークル「アルゴークラブ」は、
赤田留美、羽根木透という二人の死者を出して、その活動に幕を下ろす。
その最後の会合は、羽根木の遺稿「紅玉の祈り」の朗読会となった。
羽根木の赤田への思いが描かれているようなのだが、しかし、
じつはそこに二人の死にまつわる「重要な事実」が記されているのだという。
メンバーは遺稿を読みながら、やがてある「それ」に気づくのだが……。
――――― 表紙袖より

気分がのるまでにちょっと時間が掛かりましたが、
最後まで読んで見るとわりと面白かった。
メンドクサイ < 面白い。
そんなに大差ではないですけど。

全体的に独特の空気というか、掴みにくい感じもする。
特に「紅玉の祈り」はかなり難しかった。

そもそも「遺稿」の部分は意味を読みにくくて、という以前に
読みにくい部分がたくさんあって難儀。

まぁその読みにくさは“仕掛け”に原因がある以上、
どうすることもできない、仕方ないんだろうけど。

「美のために殺す」というのは前にもどっかで見たことあるような。
同意するとまでは言えないものの、
全く意味がわからないってこともないかもしれない。

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2008.03.04 『二の悲劇』

二の悲劇二の悲劇
(1994/07)
法月 綸太郎

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東京世田谷でOLが殺されて顔を焼かれ、
ルームメイトが重要参考人として手配された。
事件は三角関係のもつれによる単純な怨恨殺人と見られたが、
ただ一点、被害者の呑み込んでいた小さな鍵が謎とされた……。
作家にして探偵の法月綸太郎に出馬が要請された矢先、
容疑者の死体が京都蹴上の浄水場で発見され、
惨劇の舞台は一転、西へ飛んだ!
自殺か?他殺か?
失われた日記に記された、京都=東京を結ぶ愛と殺意の構図とは?
二年ぶりに長編登場の法月名探偵、ファン待望の最新作!
――――― 裏表紙より

個人的にはそんなに好きじゃない。
法月さん作品は結構久しぶりに読んだんですが
「あれ、こんな感じだったっけ?」と。

登場人物はそう多くないのに割と複雑で、長さもそれなりなので
読むのにもかなり時間が掛かった。

ややこしさ・めんどくささのわりに、結末・真相を知ったときに
爽快さというかスッキリする感じがなかったので。

意外な事実がわかったときには驚きもあったんですが
最終的な真相がイマイチ綺麗じゃない。
アンフェアとまでは言いませんが随分突然な気がして。

ところどころに挟まれる「きみ」という二人称で進む部分。
私はどうもしっくり来ない感じがしちゃって。
二人称にしても文章にしてもなんか上滑りしていくというか。
あくまでも私個人的にはですけど。

まぁでもその二人称に関しては最後まで読んで一応納得。

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私が彼を殺した私が彼を殺した
(1999/02)
東野 圭吾

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流行作家・穂高誠が、新進の女流詩人・神林美和子との結婚式当日に毒殺された。
美和子の兄・貴弘、穂高のマネージャー・駿河直之、穂高の担当編集者・雪笹香織。
彼らは皆、事件後つぶやく。「私が彼を殺した」と……。
容疑者は三人。そして犯人は一人。
卓絶のテクニックで繰り出される真相を、はたしてあなたは看破できるか?
――――― 裏表紙より

著者のことば
メモを取りながらページをめくり、
作者がちりばめたヒントを手がかりに真相を推理する
―――かつて探偵小説と呼ばれたものを愛した人々の楽しみは、
そういうものだったはずである。
それを何とか復活させたいと思った。
だが作業は想像以上に大変なものとなった。
こんな馬鹿なことをするのも、これが最後かもしれない。
――――― 表紙袖より

挑戦的だなぁと。
なんせ解決篇がないんだから。
自分なりに推理しても正解が載ってないというかたちにビックリ。

でも面白かった。
けど、こういうのはたまにでいいです。

「著者のことば」にあるようにメモをとりながら読んだほうがいいかも。
それも一見事件に関係なさそうなことでもこまめに。

真犯人以外の人がやってもいない罪を「やった」というのは
“誰かをかばうため”しかありえないと思って読み始めたんですが
『私が彼を殺した』というのはそういう意味か!と。

やっぱり東野圭吾さんのはタイトルも好きだ。

本編に解決篇が載ってないというのはここに感想書くのも難しい。
どこまで書いていいのか。

私も自分なりに考えてみたんですが、それが果たして正解なのかどうなのか。

「ここは予想外の展開で美和子の犯行か?」とも思ったんですが、
そうすると上にも書いた『容疑者は三人』というのと矛盾してしまうので
解決篇を載せないというやり方の場合、フェアじゃないだろうから
という理由でこれは却下。

となると“入れ替え”が不可能なら“すり替え”しかないのかなと思ったんですが
そうすると「あれ?」ってことがあって。
加賀刑事も他の刑事たちもはそのことについて触れてないよね?と。
あれは引っかからなくていいところなんだろうか。

『私が彼を殺した ネタバレ』で検索して
他の方の考えもいくつか読んでみたんですがほぼ似たような感じ。
私が読んだところでは皆さん丁寧に検証されていて脱帽。

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2008.03.01 『さすらい』

さすらいさすらい
(2004/05/19)
赤川 次郎

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人気作家は、祖国を追われた。
流浪の果てに着いた北欧の町。
だが、その暮しを脅かす事件が……。
自由な言論を封じられた日本。名手が迫りくる恐怖を描く!

面白かった。というか好き。

「自由な言論を封じられた」というのが予想以上の事態で驚いた。
一人の人間が報道陣の目の前で殺されたのに
なかったことにされてしまうという異常さ。

そんな中でも、良心を捨てきれない人というか、
正しいことをしようとする人、それを助ける人がいるというのが救い。

「こんなこと絶対起こらないよ」と言い切れるだろうかと考えてみると
必ずしも言い切れない気がしてちょっと怖い。

ここまで徹底した言論封鎖となると
この数年に現実になるってことはないでしょうが、
「権力者の意向に逆らうことは書かない」とかいうことは
実際の報道においてもあったりするんじゃなかろうか。
さすがにことが殺人となればそうも行かないだろうし、
“権力の監視”をきっちり果たしている人もたくさんいるでしょうが。

暗殺者の正体が簡単に解っちゃって、
ハラハラドキドキ感があんまりなかったのは残念。
まぁ登場人物が限られてるから仕方ないけど。

単純かもしれませんが、教会のシーンは泣きそうになった。
未亡人や神父さんや町の人が優しくて強い。

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