天国の扉 ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア天国の扉 ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア
(2005/12/01)
沢木 冬吾

商品詳細を見る


家族への償いか
逝ったものへの弔いか
絆を取り戻すために、男は太刀を打つ


名雲草信流抜刀術 名雲修作。
妹の死。父の失踪。恋人との別離。
死刑執行を強要する脅迫殺人の裏に隠された真相は?
守るべきものは何か?
愛する者との絆の在処を問う、感動のハードボイルド・ミステリー!!
渾身の書き下ろし1200枚

11年前、抜刀術・名雲草信流本家を悲劇が襲った。
末の妹・綾が放火により焼死してしまったのだ。
犯人は、一年後、別の現場に残された
遺留指紋が決め手となって捕まった、飯浜幸雄。
名雲家長男・修作がつきあっていた奈津の父親だった。
修作の父・名雲和也は公判に出廷した飯浜に
襲いかかる騒動を起こし、その後、失踪。
奈津は母親とともに土地を離れて行った。
そして飯浜にはその後死刑判決が出たが、
執行はいまだなされていない。
――――― 帯より

初めましての沢木さん。
面白かった。
けど、満点出すのはちょっと躊躇って4.5で。
初・沢木作品だし、これから読むものへの期待もこめて。

味方と見せかけて実は…なんていうのは
さほど斬新なものでもないし後味もよろしくないんだけど
それでも面白かった。

ちょっとしか出てこないキャラクターなんだけど
自分の信じることを貫く姿がとても好い、
そういう人がいるのも好きなポイントだろうか。

抜刀術なんてまるで馴染みのない世界で、
少々とっつきにくいかなんて思ったんだけど、
それもさほど気にはならない。

「死刑」というのが事件に大きく絡んてるんだけど…。
これもあまり色んなこと言っちゃうとネタバレになりそうで。
少なくともどんな大義名分があったって
(本当はそれすらないわけだけど)こんなやり方は…。

20070128223936.gif



プラ・バロックプラ・バロック
(2009/03/24)
結城 充考

商品詳細を見る


降り続く雨。
京浜工業地帯
のインダストリアルな空気が漂う中、
未曾有凶悪犯罪事件が静かに幕を開けた!

埋立地の冷凍コンテナから、14体の凍死体が発見された。
整然と並んだ死体は、誰の、どんな意図によるものなのか?
神奈川県警機動捜査隊に所属する女性刑事・クロハは、
虚無感と異様な悪意の漂う事件の、深部に迫っていく……。
圧倒的な構成力と、斬新なアイディアを評価され、
選考委員満場一致で新人賞を受賞した期待の新鋭、
渾身の一撃!
――――― 帯より

帯の文句に期待しすぎたのかな…。

どんどん増えていく凍死体、それとは別に連続殺人、
独特の雰囲気。

面白くなりそうな気はしたんだけどな…。
一言で言ってしまうと「残念」になる。

「異様な悪意」だったりで、書かれてることはどす黒いんだけど
硬質な印象を受けたせいか、無色に近い雰囲気。

クロハ・カガなどなど、登場人物をカタカナ表記にしたのも
その硬質な感じを演出するものなんだろうか
(人間味とか人間らしさを薄めるため?)、とは思うけど
慣れるまでしばらくちょっと目が引っかかっちゃうし。

何より知りたい・読みたい情報と
無くてもいいんじゃない(と思ってしまった)情報のバランスが。

クロハの姉が抱えてる事情だとか2人の上司の過去だとか
もっと事件に絡んだりヒントになったり、
でなきゃクロハの言動に強く影響するのかと思いきや。

影響がゼロだとは言わないけど、
これくらいなら別に無くても良かったんじゃない?なんて。

そのわりにクロハ本人のことがあんまり見えてこない…。
射撃の名手だとか音楽が欠かせないとかは知ってるんだけど。
単純に私の読み方が浅い、軽いせいだろうか。

首謀者とか『タカハシ』なんかも微妙にモヤモヤ。

普段以上に攻撃的に書きすぎただろうか。

20070128223936.gif



花と流れ星花と流れ星
(2009/08)
道尾 秀介

商品詳細を見る


死んだ妻に会いたくて、霊現象探求所を構えている真備。
その助手の凛。
凛にほのかな思いをよせる、売れないホラー作家の道尾。
三人のもとに、今日も、傷ついた心を持った人たちがふらりと訪れる。
友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年。
拾った仔猫を殺してしまった少女。
自分のせいで孫を亡くした老人…。
彼らには、誰にも打ち明けられない秘密があった。
――――― 「BOOK」データベースより

短篇集ってこともあって、道尾さんのわりにあっさり目かな。
けど、好き。

「友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年」の話、
『流れ星の作り方』は既読。
好きなので今回も読んだけど。

痛みだったり苦みだったりもあるんだけど
真備・道尾・凛の三人が基本的に優しくて温かい人間だからか
さほど読んでてしんどいものでもなく。

一番印象的だったのは『花と氷』だろうか。
上に引用した部分だと「自分のせいで孫を亡くした老人」の話。
一番好き、とは言いにくい感じなんだけど…。

「まさかそんなことしないよね、しないでね」って
何となく厭な感じがしてた展開になっちゃったのが。
どんな理屈つけたってそれはダメでしょって。
実はその理屈も自分へのごまかしで
それもまた辛いというか哀しいというか。

20070128223936.gif


暗闇のヒミコと暗闇のヒミコと
(2007/12/14)
朔 立木

商品詳細を見る


人はなぜ犯罪を犯すのか。
あなたがもし「疑惑の女」と同じ立場に置かれたら…。


エピソードのすべてを様々な事実そのもので描く、
『死亡推定時刻』の著者、新たな代表作!

高級老人施設で理由なき殺人が起きた。
冤罪を叫んでアイドルになった女看護師。
彼女の闇を見つめる新聞記者は……。
――――― 帯より

表紙袖に作者の言葉として
「この小説で裁判の実態を知って欲しい」と。

そういう見方なら面白いんだろうか…。
それとも朔さん作品を読む順番が違えば?

“裁判の実態”云々に関しては
似たようなのを他で読んだような…。
朔さんのだったか他の方のだったかは定かじゃないけど。

「知らなかった!」「裁判ってこんな感じなの!?」
というのがさほど感じられず。

事件そのものも
「真相はどうなの?」「裁判の行方は?」って
気になるので読めるんだけど
肝心の“ヒミコ”がわからない。

彼女の何がそこまで熱狂的に人を惹き付けるのか、
それがどうもピンと来なくて…。

20070128223936.gif


2009.11.21 『罰』

罰
(2002/04)
新野 剛志

商品詳細を見る


海外へ逃亡する人間を匿ってほしい―――。
空港近くのパーキングに勤めている男は、
ある日、上司からアルバイトを持ちかけられた。

成田空港の盲点を突いた衝撃のミステリー!

好きだった女を父親に寝取られた。
気がついたら、父親を殺していた。
七年後。
罪を償ったはずの男に、最後の罰が下される。

江戸川乱歩賞作家の最高傑作!
――――― 帯より

何がどうなっているのやら気になって、
長さのわりにぐいぐい読んじゃう。

そのわりに、あまり好きだと思えなかったんだよな…。
話の内容にしてもキャラクターにしても。
好きだったのは兄くらいか。

「成田空港の盲点」は嫌いじゃない。
空港の中と外の盲点。

20070128223936.gif